香港、今年中にステーブルコインのライセンス発行を目指すも、承認数は「1桁台」にとどまる可能性：報道

香港は今年中にステーブルコインのライセンスを発行する可能性があるが、その数は「一桁台」にとどまる可能性が高いと、同地域の金融担当トップが地元メディアのインタビューで語った。

地元紙「明報」が月曜日に掲載したインタビューで、金融サービス・財務局長のクリストファー・ホイ氏は、ステーブルコインのライセンス制度が8月に施行されることを受け、当局は今年中にライセンスを発行することを目指していると述べた。

ホイ氏は報告書の中で、「[ステーブルコイン]が、特にリスクの高い現地通貨が関与する場合や、現地の金融システムが十分に発達しておらず、クロスボーダー決済に一定の課題が生じる場合など、実体経済における困難や痛点に対処することに重点を置くことを期待している」と述べた。

また、「しかし、法定通貨をベースとしたステーブルコインが効果的な決済手段として機能すれば、クロスボーダー取引を促進し、取引コストを削減できる」と付け加えた。

今後のライセンス制度や以前のサンドボックスプログラムは、当初、香港ドルにペッグされたステーブルコインを対象として設計されたが、オフショア人民元にペッグされたステーブルコインの見通しは、地元の暗号資産業界で話題になっている。

ロイターによると、例えば、中国のハイテク大手JD.comとAnt Groupは、グローバルなステーブルコイン競争が激化する中、中国人民銀行に対し、オフショア人民元建てのステーブルコインを承認するよう働きかけている。

ホイ氏は明報に対し、潜在的なステーブルコインが他の法域の通貨に関わる場合、「関係当局と協議する必要がある」と語った。

現在の規制の枠組みは、一般的に、どの通貨を裏付け資産として使用できるかを明示的に制限することなく、法定通貨に裏付けられたステーブルコインの発行を許可している、とホイ氏は述べた。しかし、他の法域の通貨が関与する場合、規制当局は為替レートへの潜在的な影響を慎重に評価し、より広範なリスク要因を考慮する必要がある、とホイ氏は述べている。

香港がステーブルコインのライセンス枠組みを推進しているのは、米国で進行中の規制の動きと一致している。先月、米国上院は画期的なGENIUSステーブルコイン法案を可決し、下院に送付した。ドナルド・トランプ大統領は議会に対し、同法案を可決するよう促している。

中国人民銀行の潘功勝総裁も、ステーブルコインと中央銀行デジタル通貨がグローバルな決済インフラを再構築していることを認めた。

北京が中国本土全体で暗号資産取引とマイニングの禁止を支持している一方で、香港は暗号資産取引所の確立されたライセンス枠組みを通じて暗号資産ビジネスを歓迎するという、正反対の立場をとっている。香港の事実上の中央銀行である香港金融管理局は昨年、ステーブルコインのサンドボックスを開始し、Standard Chartered Bank、Animoca Brands、Hong Kong Telecommunications、JD Coinlink、RD InnoTechなどの著名企業が参加した。